インタビュー

杉良太郎インタビュー


杉良太郎インタビュー ━━━ 今度の新曲、「ひとり旅」は杉さんご自身の作詞ということですが、この作詞に込められている思いというのはどのようなものでしょうか。

ひとり旅というのはさみしいかなと思ったんですけど、現代ではひとりしゃぶしゃぶとかひとり焼肉とかあるので、旅もひとりも良いのかなと思いまして(笑)
ひとり旅に出ると自分探しが出来ますよね。自分探しって今までやったことがないので、こういう機会を作ることで自分が何者かと振り返ることが出来ますね。
そして旅先のいろいろな場所でいろいろな人に出会い、そういった人たちと人生の一コマが出来るんじゃないかなぁという思いで作りました。

━━━ 「ひとり旅」にはおっしゃるように〝一期一会〟があると思うのですが、何か印象に残っているエピソードはありますか?

以前、テレビドラマのロケで山あいの温泉に行ったんですが、そういう時ってひとりでお湯に浸かっていても流れる川を見ていても、ひとり旅の雰囲気がありますよね。
そして宿の方にいろんなことを教えていただいたりして、やはり行った先々で人との出会いは数知れずありました。
でも、時にはあんまり〝構われないひとり旅〟もいいかなという思いもありますけどね(笑)

━━━ ちょうど良い距離感が保たれるといいんですかね?(笑)今、お話しされたような気楽さと言いますか…

大勢で行くと周りの人とか友達とかに気遣って、観たい景色も眺められなかったり、話を合わせてしまったり、、、人に合わせることが多いですよね。まぁそれも楽しいんですけど。
やはり、ひとり旅にはひとりだからこその醍醐味もあるんじゃないかなと思いますね。
以前、ひとりで北陸を旅した時に新潟から列車に乗って、荒れ狂う海を恐ろしいなぁと思いながら眺めていたんですが、その時に詩が思い浮かんで作詞をしましたね。

━━━ 2017年の歌手活動の抱負をお聞かせください。

歌手活動というほどヒット曲がないからね(笑)
なにしろ自慢じゃないけど少ないからね、大事に歌わないと。
それと、この歳になって思うのはヒット曲だからとか売れなかったとかは別として、一生懸命歌うというのが大事だなぁと。デビューの時から一生懸命歌ってきたはずなのに、振り返ると実はそうでもなかったんじゃないかと。「一生懸命っていうのはどういう事だろう。」と考えて、一曲一曲に込める気持ちがここ2年位で変わってきたんですね。
今は歌いながら伝えようとしている自分がいるのですが、以前はなかったんです。
歌詞が何を歌っているのかわからないとかでなく、詩の意味がはっきりわかって説得力があって、その一曲の中にドラマを観た、聴いたという気持ちになってもらえるよう一生懸命に歌いたいと思います。

━━━ やはりひとつの歌を大切に歌うと、それがお客様にも伝わりますよね。

お客様ってものすごく敏感で、適当に歌っていたり、いい気になっていたりするとわかるんですよね。たくさんのお客さんが来てくださっていても「この次はもういいか」って思われちゃう。
ラスベガスに行った時にディナーショーをやっているアメリカ人の歌手がいたんですが、300人位の小さな劇場に50人位しか入っていない。それでも彼は一生懸命歌うんです。
それには感動しましたね。これこそプロだ。「人数で歌っているんじゃない」って勉強させられましたね。

━━━ ありがとうございました!